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LGBTのQって何?

みなさんこんにちは。井上こま子です。

LGBTにQをつけLGBTQということがあるのをご存知でしょうか?

今回はこの「Q」に焦点を当ててみたいと思います。

「LGBT」ってそもそも何?

LGBTとは、

・Lesbian (レズビアン=女性同性愛者)

・Gay (ゲイ=男性同性愛者)

・Bisexual (バイセクシャル = 両性愛者)

・Transgender (トランスジェンダー = 身体上の性別に違和感を持った人)

といった、性的少数派の中で代表的な4つの頭文字を取った総称です。

この言葉の歴史はとても浅く、日本では2005年頃から使われるようになりました。

同性パートナーシップ証明書の発行が認められてから、ニュースでも多く見られるようになりましたね。

最近では、LGBTに関するドキュメンタリー番組などが積極的に放送されるようになりました。

それでは、これら代表的な4つのセクシャルについて見てみましょう。

 

Lesbian (レズビアン=女性同性愛者) について

レズビアンとは、女性同性愛者のことを指します。

その語源はギリシアのレスボス島であると言われ、紀元前7世紀に、島には宗教的な女性結社が存在していたといわれています。

レズビアンという呼び方ですが、欧米では女性同性愛者でも「Gay」と言うことがあります。

海外ドラマ(特にハイスクール系のドラマ)を観ると、登場人物のセリフで出てきますね。

 

Gay (ゲイ=男性同性愛者) について

ゲイとは、男性同性愛者のことを指します。

「Gay」という単語は元々、「陽気な」という意味で、「foggot」(オカマ、またはその意味を含んだ蔑称)という呼ばれ方をポジティブなものにしようと当事者の間で広まりました。

「ホモ」や「オカマ」という言い方も存在しますが、当事者ではない方がゲイの方に向けて使うと差別的だとされ、言われた側も嫌な気持ちになりやすいので注意が必要です。

ちなみに、テレビに出演している「オネエ」と、一般に存在する「ゲイ」はあくまで違うカテゴリーです。

混同しやすく難しく感じてしまうかもしれませんが、そこははき違えないようにしてくださいね。

 

Bisexual (バイセクシャル = 両性愛者)について

バイセクシャルとは、両性愛者のことを指します。男性と女性、両方の性が恋愛対象になるという特徴をもっています。

最近、バイセクシャルとカミングアウトする方が増えてきましたね。

バイセクシャルはその性質から、「都合がいい」と捉えられがちなのが問題です。しかし、無差別に人を好きになるのではなく、異性愛者や同性愛者と同じで心に響いた人を好きになります。

ちなみに、バイセクシャルが「男性」と「女性」と好きになる性カテゴリーが2つに限定されるのに対し、ストレートの男性、ストレートの女性、ゲイ、レズビアン、トランスジェンダー、その他セクシャルマイノリティといった、全ての性が恋愛対象になる人のことを「パンセクシャル(全性愛者)」と呼びます。

 

Transgender (トランスジェンダー = 身体上の性別に違和感を持った人)

トランスジェンダーに関しては定義が複雑なので、ここでは「身体上の性別に違和感を持った人」という認識でお話を進めていきます。

実は、「トランスジェンダー=性同一性障がい」と捉えられることがほとんどです(私も恥ずかしながら最近までそうだと勘違いしていました・・・)。

性同一性障がいとは、身体と心の性の不一致に苦しみを感じ、性別適合手術や戸籍変更望む人たちを指します。

男性から女性へ性別変更を望む人をMTF(Male To Femal)、女性から男性へ性別変更を望む人をFTM(Female To Male)と呼びます。

性同一性障がいの他に、以下のタイプもトランスジェンダーに含まれるといわれています。

・自分の身体と心の性が合っていないと感じるが、戸籍変更や性別適合手術を望んでいるわけではない。

・自分が一つの性にカテゴライズされることに違和感を覚える人。(Xジェンダーと呼ばれることがあります)

個人的に、上記の二つは後ほど説明するクィア(Queer)に含まれるのでは・・・と考えていますが、

その定義については人それぞれです。

ところで、「私は同性愛者です。」とカミングアウトすると、「え?男(女)になりたいの?」という疑問を真っ先に向けてくる人が非常に多いです。それは全く違います。

構図としては、

・ゲイ、レズビアン ⇒ 自分と同じ性別の人を好きになる人

・性同一性障がい ⇒ 自分の身体と心の性が合っていない人。好きになる相手は異性だったり同性だったり両方だったりする

という感じですね。

このことを理解して当事者に接すると、コミュニケーションも円滑になるかと思います。

 

カテゴライズされるセクシャルの罠

さて、世のセクシャルマイノリティが凝縮されたLGBTという言葉。情報発信するにあたって短く言いやすい単語であるように感じます。

しかし、代表的な性の頭文字であるとはいえ、当事者の中にはこの単語に疎外を感じている人がいることも事実。

Transgender (トランスジェンダー = 身体上の性別に違和感を持った人)でも述べましたが、

・自分の身体と心の性が合っていないと感じるが、戸籍変更や性別適合手術を望んでいるわけではない。

・自分が一つの性にカテゴライズされることに違和感を覚える人。(Xジェンダーと呼ばれることがあります)

というこれらの性質をもった人をトランスジェンダーに含むのは、どこか違うようにも感じます。

「自分はLGBTだ」と言いたくても、「L」「G」「B」「T」のいずれにも当てはまらない・・・。

性の在り方が限定されてしまうことで、「どっちなのかはっきりしろ」だとか「都合が良すぎるんじゃないの?」などの心無い言葉を投げかけられてしまうこともあるのです。

性に対して自由であることが目的なのに、「男」と「女」以外でまた制限されてしまう・・・。その限られたカテゴリーのどこかに所属しないと周りから冷たい目で見られる・・・。

そのような気持ちで日々を過ごしている人は、少なくないのです。

 

LGBT“以外”の性カテゴリーの登場

自分が一体どういう性カテゴリーに当てはまるのか分からな

知り合いの当事者に対して、どのような性認識で接したら分からない・・・。

当事者もストレート(またはアライ)も悩んでいる人は数えきれないくらいいます。

でもご安心を。

最近、LGBTの枠に捉えられない性カテゴリーが新たに出てきています。

当事者にとっては自分の性の居場所となり、ストレート(またはアライ)にとっては当事者一人一人を、より深く理解するための指針になるでしょう。

 

Questioning(クエスチョニング)の登場

クエスチョニングとは、自身の性自認や性的指向が定まっていない人のことを指します。

また、頭文字が同じQであるQueer(クィア)も一つのセクシャルだとされており、元々「変態」や「オカマ」という侮蔑的な意味をもっていますが、現在ではクエスチョニングを表す傾向にあるようです。

最近では、LGBTと言い表す際、Qをくっつけて “LGBTQ”という呼ばれ方をされるようになってきました。

 

Xジェンダーって?

欧米では、性自認や性的指向が定まっていない人のことをQuestioning(クエスチョニング)やQueer(クィア)と呼ぶのが主流になっていますが、日本では「Xジェンダー」という呼び方をすることが多いように感じますね。

Xジェンダーは既存の性の在り方に左右されず、自分らしさを表すために、男性性と女性性をうまくカスタマイズしている人を主に指す傾向にあります。

ジェンダーフリーというと分かりやすいかもしれません。

実はこのXジェンダー、思った以上に多く存在しています。

先日、私はNPO法人にじいろ学校様主催のXジェンダーオフ会へ参加したのですが、同じような悩みを抱えていらっしゃる方々が多く参加しており、私としてもかなり勇気づけられました。

この集会で知ったのですが、生活の場面によって男性、女性のスイッチが切り替わる流動的セクシャリティも存在するようです。

私は身体の性と普段の性は女性として認識していますが、恋愛の時だけ男性に切り替わるという性質を持っているため、長い間、自分をどの性カテゴリーに置けばいいのか悩んでいましたが、このような性質を持った人は自分以外にもいると知って、今はとても安心しています。

 

その他に性カテゴリーってある?

Questioning(クエスチョニング)やQueer(クィア)、Xジェンダーを紹介しましたが、まだまだ他に性カテゴリーは存在します。

・アセクシャル(asexual)について

男性や女性、その他セクシャリティに対し、特に恋愛感情や性的欲求を持たない人のことをアセクシャル(無性愛者)といいます。世界人口の1%の割合で存在するといわれていますが、私の知り合いにすでに3人いるので、1%は本当かな・・・?というのが本音です。

アセクシャルはその性質から「草食系」と勘違いされますが、全くの別物なので気を付けてくださいね。

当事者の知り合いから聞いたことがありますが、

「どうして恋愛しないの!?楽しいのに!」

「とりあえず誰かと付き合ってみたら?」

「恋愛下手なだけだって!!」

「結婚や子どもはどうするの?このままじゃ人生孤独だよ」

といったことを言われがちだとか。

誤解してほしくないのですが、アセクシャルの人は好んで恋愛感情を抱かないわけではありません。

なので、恋愛の強要などの発言はご法度です。

完全に理解はできなくても、「そういうセクシャリティなんだ」と相手を承認してあげてくださいね。

・性分化疾患(インターセックス・IS)はどうだろう?

異性の染色体または性器をもって生まれてきた人のことを、性分化疾患(インターセックス)と言います。

性分化疾患はLGBTQと同じ枠で語られることが多いですが、そうすべきではないというのが私の見解です。

なぜなら、性分化疾患の人は、確かに男性と女性の染色体または性器を身体に宿していますが、心はどちらかの性を選んで生きている人がほとんどだからです。

もちろん、中にはLGBTQ的要素をアイデンティティに含む人も存在しますが、ごくわずかであるとされています。

性分化疾患の人は、外部から「男でも女でもない」という勝手なイメージを持たれやすいので、それに苦痛を感じ自殺する人も多いといいます。

身体が両性であっても、当人は自分のセクシャリティを持って生きています。LGBTQ当事者もストレートも、そこをしっかりと理解して、お互いに共生できる社会を目指したいものです。

 

ストレートも同じ。だから寄りそえられる。

これまで、LGBT以外の性カテゴリーについて説明してきました。

最後に忘れてはならないのが、これらの性カテゴリーに「ストレート」も含まれるということです。

今まで、身体の性と同じく、心の性も「男性」と「女性」しか存在しないとされてきました。

その価値観は、時代の変化や宗教をはじめとした思想の広がりによって受け継がれ、ストレートによる差別や偏見、それによる迫害にLGBTQ当事者が苦しめられてきた背景は間違いなく存在し、それを水に流すことはできません。

しかし、これからはどんなセクシャリティでも「当たり前」のように存在する時代がやってきます。

今の段階では、ストレートやアライの皆様には発言に気をつけていただいたり、LGBT当事者に対する態度で気を遣わせる場面が多々出てくるかと思います。

少し負担をかけてしまいますが、将来、多様な性に富んだ社会を目指す上で必要なことですので、ご協力いただけたらと思います。

私たちLGBTQ当事者は、ただ理解されることや偏見や差別がなくなるのを待つのではなく、どんな扱いを受けたとしても「私はこういう人間なんだから、あなたたちにとやかく言われる筋合いはありません!」と、堂々としていられるような強いマインドを身につけることが大切になってくると、私は考えています。

そして、LGBTQ当事者側が「私たちの気持ちはストレートには分からない」「ストレートだから視野が狭い」などといった偏見や差別を、ストレートに向けることにならないよう、気をつけなければなりませんね。

私たちが目指すべき社会は多様な性が当たり前に存在する社会。

今は長い間培われてしまった、ストレートとLGBTQ当事者の壁を取り除く作業に追われることになりますが、次の世代が『社会的にも恋愛的にも、身体の性は関係ない』ということを当たり前のように思ってくれるのであれば、とても大事なフェーズに来ているのかなと思います。

まずは様々なセクシャリティが存在していることを理解するのが大切です。

これは当事者間でも必要なことです。理解することで、発する言葉や態度が相手を思いやるものに変わってきます。

ストレートとLGBTQ当事者。

歩んでいる道は違うけど、「理解」によってお互いに歩みよることで、お互いが「当たり前」に存在している社会を実現させていきましょう。