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LGBTって何?から始める人へ

最近、「LGBT」という言葉をよく耳にしませんか?

LGBTとは、「Lesbian(レズビアン)」、「Gay(ゲイ)」、Bisexual(バイセクシュアル)、「Transgender(トランスジェンダー)」の頭文字をとった言葉です。LGBTという言葉自体は知らなくても、これらの単語の一つ一つはご存知、という方は多いと思います。

「恋愛対象」というと、男性ならば女性を、女性ならば男性をというように、異性を恋愛の対象として好きになるのは当然であると思っている方が多いのではないでしょうか。

しかし生まれながらにして、もしくはある程度成長した段階で、「自分は同性が好きである」あるいは「同性・異性の両方が好きである」など、さまざまな認識をする人が存在します。

また、自分のカラダの性と、自分の認識している性が一致しないような感覚を持つ人。自分が男性・女性、どちらの性なのかをはっきり区別しきれない方も存在します。

これらの方々をLGBT。Q(Questioning:クエスチョニング。性的思考や性の自認がはっきりしない、決められない、悩んでいる状況にある人)も含めれば、LGBTQと呼び、セクシュアルマイノリティ(性的少数者)として位置づけることができます。

 

みなさんご存じ?LGBTとは

LGBT当事者をTVではみたことあるけれど…

近年、TV番組ではいわゆる“オネエ系タレント”と呼ばれる方々の活躍が目立ちます。

マツコ・デラックスさん、はるな愛さん、KABAちゃんなど、個性的なタレントがメディアを賑わせています。

30代~40代の方であれば、ゲイといえば保毛尾田保毛男(ほもおだほもお)を連想する方も多いのではないでしょうか。ご存知のとおりフジテレビ「とんねるずのみなさんのおかげでした」で活躍した、石橋貴明さん演じるキャラクターです。

LGBT当事者の中には、あのキャラクターの存在に嫌悪感を抱く方も多いようですが、良い意味でも悪い意味でも、あのキャラクターの存在が、同性愛者に対するイメージを固定させたように思います。

LGBT当事者が身近にいない方の場合は、こういった有名人・タレントの方々のイメージが強く反映されていると思います。

ある意味それは間違ったイメージではないのですが、性的マイノリティのパターンは、数多く存在します。

実際にあなた自身が接する際、失礼のないコミュニケーションがとれるでしょうか?

まずはTVだけのイメージではなく、きちんとした知識を身に着けることで、LGBTのイメージを改めていきましょう。

2015年、渋谷で何があったの?

3月31日。東京都渋谷区で、日本のLGBT史に残るであろう大きな出来事がありました。

当時の記事を見てみると、画面中央には2人の女性が虹色に輝く鮮やかな垂れ幕も掲げ、カメラに向かってやさしく微笑んでいます。

「祝 同性パートナーシップ条例!」

「THANK YOU,SHIBUYA!」

垂れ幕には、この2文が刻まれていました。

このニュースの光景を鮮明に覚えている人も、少なくないのではないでしょうか。

この日、渋谷区では、渋谷区議会による本会議が行われていました。

議題となったのは、以前から問題視されていた「性的少数者への差別」「同性カップルへの制度不備」これらを解決するための新制度「パートナーシップ証明」について。

そしてこの日、「同性パートナーシップ条例」の施行が、賛成多数で可決されたのです。

これにより、全国初の事例となる、性的少数者を支援するための同性パートナーシップ条例(正式名称は「渋谷区男女平等及び多様性を尊重する社会を推進する条例」)が同年4月1日に施行されました。

アンケート調査によるLGBTの実態

では、実際LGBT当事者は、日本にどれだけいらっしゃるのでしょうか。

2015年4月時点での、電通のダイバーシティ課題対応専門組織「電通ダイバーシティ・ラボ」の調査を参考にしてみましょう。

この調査を見てみると、アンケートを行った全体の、実に「7,6%」の人がLGBTに該当したとのことです。(全国の約7万人を対象に、インターネットを使用した調査)

これは日本を対象にした調査ですが、世界各国にも同等の比率でLGBTに該当する人がいると考えられています。

上記のアンケート調査をご覧になれば一目瞭然ですが、LGBTに該当する方は決して珍しくありません。

「私の周りにはいないよ」と思われるかもしれませんが、もしかしたら、カミングアウトされていないだけなのかもしれません。

LGBT当事者でなはない私には、あまり関係ないと思う

前述のように、世間では“LGBT”に対する活動・取り組み・制度設計は確実に広まっています。

ここまでお読み頂いた多くの方は、「“LGBT”という言葉自体は聞いたことがあるけど、実際私にはあまり関係ないんじゃない?」と思われる方も多いと思います。

しかし、皆さんご存知の通り、世の中は多様化(ダイバーシティ)が進んでいます。

政府では女性の雇用を推進する「女性活躍推進法」への取り組みがなされていますが、多様化にはもちろん、LGBT当事者の雇用も含まれます。

つまりあなたの知らないところで、「LGBT」に関しての活動もまた、広がりを見せているのです。

この記事では、「私には関係ない」と思っている方々にお読みいただき、少しでも「LGBT」に対しての興味・関心をもって頂ければと思って書いています。

 

3つの性を学ぼう!「カラダの性」「ココロの性」「恋愛対象となる性」

「カラダの性」「ココロの性」「恋愛対象となる性」

TV番組では、いわゆる“オネエ系タレント”の活躍が目立ちますが、上記で示したとおり、LGBTのパターンはオネエだけではありません。

そもそも容易にパターン化できるものではないのですが、皆さんにわかりやすく説明できるよう、まずは「性」についての基本から学んでいきましょう。

カラダの性

まず「性」について理解するうえで一番わかりやすいのは「カラダの性」でしょう。

これは皆さんご存知のように、身体的特徴として、「男性」であるか「女性」であるかを区別するもので、「身体的性」とも言います。

ココロの性

身体的特徴とは関係なく、自分が「男性」「女性」のどちらの性に属しているかという感覚を指します。「性の自己意識」、「Gender Identity(ジェンダーアイデンティティ)」、または「性自認」とも言います。

好きになる性

恋愛対象となる「性」のことです。「セクシュアル・オリエンテーション」「性的志向」と呼ぶこともあります。

大きく「異性愛」、「同性愛」、「両性愛」の3つに分類されます。

これらの3つの性を組み合わせると、12通りのセクシュアリティが存在することがわかります。

単に「オネエ」といっても、好きになる性は男性ではなく女性かもしれない。カラダは女性だが、自認している性は男性で、恋愛対象は男性というゲイの方など、さまざまなパターンがあります。

本来はこんなにカッチリと分けることはできない

ここではわかりやすく「性」を3つに分け、12通りのセクシュアリティが存在すると述べました。

ですが結論から申し上げると、セクシュアリティは多岐に渡るものです。LGBT当事者その人に合わせた理解が必要であるということを押さえておきましょう。

芸能人の例

芸能人のなかには、自身が性的マイノリティに属するとカミングアウトされている方もいらっしゃいます。

最近ブームとなっている芸能人では、お笑いコンビ「メイプル超合金」のカズレーザーさんなどが挙げられます。カズレーザーさんは自身がバイセクシャルであることを認めており、過去に男性・女性の双方との交際経験があるという発言もされています。

またアイドルグループでは「でんぱ組.inc」の最上もがさんは、自身がバイセクシャルであることを、ブログで公言されています。

「秋葉原ディアステージで、女の子限定イベントをしたよ。いやーーいい匂いだった。女の子だけのひみつのトークをしたけれど、女子校みたいでどきどきした。(中略) ちなみにぼくはレズじゃないです。バイです。なんか単純に性別で決めちゃうのってもったいないと思う。偏見とかいろいろあるかもしんないけど、好きになった人が同性だっただけでしょう、別に変わり者なわけじゃないよ。っていうぼくの考え方が変わってるのかな?笑」

(最上もがさん公式ブログ2012年12月23日の記事より引用)

筆者自身「でんぱ組」が大好きで、もちろんもがちゃんも好きです。ブログでもライブでも、自身を飾らずまっすぐに思いを伝えるところが、男性・女性双方からのファンが多い理由だと思います。

話が逸れましたが(笑)、先述のマツコ・デラックスさん、はるな愛さんの例も含め、世の中が以前より、性的マイノリティに対しての抵抗が薄まってきているように思います。

 

結論!LGBTは「決して珍しくない」。病気ではなく、「個性」である!

結論!LGBTは「決して珍しくない」。病気ではなく、「個性」である!

さて、今回の一番重要な部分に入っていきます。

LGBTに該当する方々が最も誤解されがちなこと。

それは「いずれは治るもの」と思われてしまうことです。

これは、ご自身のお子さんがLGBT当事者だった場合、そのご両親の反応としてありがちなパターンです。というのも、LGBT当事者が、まず最初にカミングアウトする相手としてよく挙げられるのが、自身のご両親である例も多いからです。

「これは何かの病気だ。病院の先生に診てもらえば治るかもしれない」

「他の子と違うのは、私の育て方が間違っていたからかもしれない」

そう思われてしまう気持ちもわかります。

ご両親がストレートで、初めて子供からカミングアウトされたとき、ショックを受けることもあるでしょう。伝えられた事実を受け止めるのに、少し時間がかかるかもしれません。

しかし勘違いしないで頂きたいのは、「性的マイノリティ」は、病院に行って治るものではありません。ましてや病気ではありません。その人その人が持っている個性であり、その人のアイデンティティなのです。

確かに専門の医師・組織によっては、病気というとらえ方をする方もいます。

これは言葉の定義の問題ですが、一番わかりやすい例でいえば、LGBTのTに含まれる「性同一性障害」は、現代の医療では「精神疾患」というカテゴリーに属する病気に含まれるからです。

しかし世の中の流れとしては、LGBTに対し「病気」や「疾患」というイメージは徐々に薄まりつつあり、その人の「個性」「アイデンティティ」として尊重するべきという意見が広がっています。

今回の例で言えば、もしお子さんにカミングアウトされた場合、病気にかかったと受け止めるのではなく。ご自身の育て方を疑うのではなく。まずはその子の個性として認めてあげることが必要です。

 

ストレートの自分は具体的にLGBTの人たちにどうすればいいの?

“アライ(支援者)”という存在

“アライ”という言葉をご存知でしょうか?

直訳すると理解者、支援者を意味しており、LGBT関連においては、差別や偏見の目にさらされがちなLGBT当事者を理解し、支援しようとする方を指す言葉です。

アライになるのに、資格や特別な勉強は必要ありません。

あなたが自覚し、活動した時点で、誰しもがアライになれます。

もしこの記事を読んで、少しでもLGBTに関心をもてたら、今度はあなた自身がアライとなり、下記のことに取り組んでみましょう。

もし突然、カミングアウトをされたら

カミングアウトをされたということは、LGBT当事者があなたを「大切な人」と認識しているからです。

もしカミングアウトを受けたら、

・まずは「この人は、私に大切なことを伝えてくれたんだな」と思うこと。

・カミングアウトをしているのは、あなたを含め、一部の人のみかもしれません。どの程度オープンにしてよいのか、当事者と話し合うこと。

・LGBT当事者が悩んでいること、困っていることがあるようであれば、できる範囲で協力すること。

LGBT当事者に「差別」と受け取られやすい言葉

私たちが何気なく発している言葉の中には、性的マイノリティの方には傷つくような発言・表現が含まれていることがあります。

以下、その代表的な例を挙げてみたので、参考にしてみてください。

●ホモ、レズ、オナベ、ニューハーフ

ひと昔前には「オカマ」という表現が頻繁にありましたが、上記の呼び方も、「オカマ」と同様、人によっては蔑称と感じる方もいらっしゃいます。

ホモ→ゲイ、レズ→レズビアン。少し覚えにくいですが、オナベはFtM(Female to Male)、ニューハーフをMtF(Male to Female)という表現に改めてください。

ただしそのあたりは個人差もあり、中には自虐ネタとして当事者が使用する方もいるので、TPOに応じて使用してください。

●私は“普通”だよ

カミングアウトされた際の反応として多いセリフです。

本人としては「LGBT当事者ではないよ」と説明したいだけなのでしょうが、「普通だよ」という言葉のウラには、当事者が「普通じゃない。異常だ」という意味で受け取られてしまう方もいらっしゃいます。

その場合は「ストレート」と答えるのが無難です。

●どっちが男役なの?(女役なの?)

ストレートの方は、同性愛者のいわゆる“夜の生活”について興味を持たれる方も多いと思います。

しかしストレートの方同士であっても、いきなり初対面からそんなことは聞かないですよね。

気になるのはわかりますが、初対面でこの質問をぶつけるのは非常に失礼な行為ですので気をつけてください。

 

LGBTって何?から始める人へのまとめ

以上、ストレートの方向けに「LGBT初心者講座」のつもりで書かせていただきました。

この記事を最後まで読んで頂いた方はぜひ、アライとしての活動はもちろん、できればLGBT当事者のお友達を1人、2人つくってください。

少しでもこの世から差別や偏見が無くなれば幸いです。

 

上野涼太のプロフィール写真です。上野 涼太

「LGBTの歴史」「坊主の男色」「サムライ同士の同性愛」など。
LGBTを勉強していると、非常に面白いストーリーに行き当たることがあります。LGBTは遠い存在のものではなく、日本人である我々だからこそ、もっと身近に存在するものなのだな、思わされます。そんなストレートである私が見つけた“トリビア”的な事例を通じて、読者の方がLGBTに対し、より一層の興味をもって頂くことができれば幸いです。