LINEで送る
Pocket

tedukayayoi_eyecatch

こんにちは。LGBTsコミュニケーターのてづかやよいです。

2016年12月に同性パートナーとの結婚が決まっているわたしも、実は3年前(24歳)までは男性としかお付き合いをしたことがない、生粋のストレートとして生きていました。

当時はむしろ男の子が大好きで、レズビアンが出てくる映画やマンガは苦手で見られなかったし(今は逆にすごく好きで見ます)、女友達も少なく、彼氏か彼氏のような男友達といることの方が多いような人間だったのですが、ひょんなことから、自分のセクシャリティに気づきます。24歳の秋の出来事でした。

そこで今回は、ストレートとして24年生きてきたわたしが、自分がLGBT当事者だと気づき、現在どのように生きているのかを、時系列で振り返ってみたいと思います。

自分はこうだ!と思い込んでいたものが崩壊し、価値観が激変したノンフィクションストーリーを通して、

✓ 固定概念に縛られることなく、自分や他人を見つめなおすことで

✓ 今まで知識ではつかめなかったコミュニケーションのポイントを探る

ことを目的として、お話しをすすめていきます。

 

ストレート時代のわたし

同性愛なんてありえない!恋愛対象は絶対“男性”

小中学校の頃のわたしは、付き合ったことこそないものの、好きな男の子は常にいました。

高校に入学すると、突然恋愛対象として見られるようになり、わたしも男性を意識し始めるようになります。

中学生のときに、『3年B組金八先生』で上戸彩さんが性同一性障害(トランスジェンダーFtM)役を演じているのを見て、「同性を好きになったり、生まれ持った性別に違和感を感じる人がいる」ということ自体は知っていたものの、自分自身が女の子を好きになるなんて考えられませんでした。

この頃好きだった芸能人も、ジャニーズの山Pや韓流アイドル東方神起のジェジュンと、男性ばかりでした。

 

恋愛体質で彼氏大好き。友達も男の人ばっかりの“男好き”

15歳で初めての彼氏ができてからは、家族以外に親密な関係を気づけたことが嬉しくて、“恋人”という存在にのめり込んでいきました

特に大学時代はごく少数の女友達を除いて、普段一緒にいるのは彼氏か、彼氏がいないときは男友達や彼氏候補の人とばかり過ごすようになっていました。

20歳のとき、とにかく稼ぎたいと思いバイトを探していたときも、「わたしは男好きだし、向いているかもしれない」とキャバクラの面接を受け、大学を卒業するまで続けていました。(キャバクラの向き不向きは、男好きかどうかではなく接客が好きかどうかだと、のちに気づくのですが…笑)

 

女嫌いな一面も

わたしの両親はわたしが5歳のときに離婚しました。小さいときから親が苦労する姿を見てきたためか、年齢よりも精神的に大人びた部分があったわたしは、同学年の友達と話しが合わず、先輩とばかり遊んでいました。

さらに、小学生のころから男友達や知り合いが多かったため、よく女の子から「やよいは男好き」「男とばっかりいる」と陰口を叩かれていたこともあり、グループを作って集団で陰口を言う女の人、特に同学年の女の子が大の苦手でした

「女の子はすぐやきもちを妬いて、集団で陰口を言うから怖い…。でもわたしには彼がいるし!」

と、大学を卒業するころにはすっかり「女嫌いの男好き」になっていたわたしは、その数年後に女性と付き合い結婚することになろうとは、夢にも思っていませんでした。

 

ストレートからLGBTへ

社会人になって出会ったLGBT当事者

大学卒業後、一般企業に勤めてからは、今までのコミュニティでは出会えないような人にも多く出会う機会に恵まれていました。オネエ言葉を使うゲイや、男性として生まれたけれど女性として生きたいとホルモン治療を受けているトランスジェンダーMtF女性です。

2011年当時は、まだ「LGBT」という言葉も日本で使っている人はいないような時代でしたから、「そっちの世界の人」とか「ホモ」「オカマ」という言葉が差別にあたることも知らずに、「ホモやオカマの友達ができたなんて、わたしも大人になったなぁ」なんてバカなことを思っていました。

LGBTに持っていた偏見や誤解

LGBTの友達のことを尊敬はしていたし、差別意識を故意に持っていたわけでもありませんでした。それでも、自分が女の子とキスをしたりSEXをするのは想像できなかったし、気持ち悪いとさえ感じていました

電車で手をつないでいる女性同士を見かけたときは、「なんでレズが公衆の面前で、しかも堂々と手をつないでいるんだろう?恥ずかしくないのかな?」といぶかしげに見てしまったこともあります。当時、ゲイの友達はいましたがレズビアンやバイセクシャル女性の友達はおらず、むしろほとんどいないとさえ思っていたのです。

しかし、LGBT当事者の友達に連れられ、初めて二丁目のゲイバーに行ったとき、今まで「二丁目=派手派手なメイクをしたオカマさんがたくさんいる場所」と思っていたはずの場所に、一見ストレートに見える男性がたくさんいることにとてもビックリしました。

同性愛者の人って、オカマさんみたいに見た目で分かる人ばかりじゃなくて、むしろ普通の男性が多いんだなぁ

と目から鱗が落ちまくり。さらに、赤いのれんのお店の前を通ったとき、「ここはレズビアンが集まるお店だよ」と教えてもらい、

「!!!…そうか、二丁目は男性だけでなく女性の同性愛者も来るんだ…。しかもお店があるくらいレズビアンって多いんだ…」

と、冷静に考えれば分かることに、やっとこのとき気づくのです。

 

「わたしは女だから、男を好きになるに決まっている」という固定概念の変化

強烈な初二丁目体験をしたあと、

わたしは今まで自分が好きになる人は男性だけだと決めつけていたのかもしれない

と思うようになりました。

よく考えてみれば、昔から好きなアニメのキャラクターは「男装の麗人」や「女装している男の娘」や「ゲイっぽいお兄さん」ばかり。小学生の時にモーニング娘。の「愛のビックバンド」という曲のPVでスーツ姿の吉澤ひとみさんを見てドキドキし、「でも、よっすぃ~は女の子だから、ドキドキするのはおかしいし、勘違いに決まってる」と子供心に考えていたことや、中学時代に女の先輩が他の女の子と遊んだ話を聞いてもやっとしたことを思い出しました。

あれ?わたしってもしかして女の子も好きなのかな?

このとき初めて、この疑問が浮かんだことで、やっとわたしは自分のセクシャリティに向き合うことになるのです。

 

セクシャリティに対する葛藤とカミングアウト

「もしかしたらわたしは、女の子も好きなのかもしれない」

わたしは、この気持ちを確かめたいと強く思うようになっていました。

しかし、それと同時に、

「勘違いかもしれない。今まで明確に女の人を好きになったこともないし…」

と尻込みしていました。

ストレートだと思って生きてきた自分の人生や未来予想図を、もしかしたら大きく変えることになるかもしれない…

そう恐れていたのです。

ある日、仲の良い同い年の女性の同僚とランチに行ったときのこと。いつも通りお互い今ハマっているものや、好きなアニメ、最近考えていることについて雑談をしていました。わたしは自他共に認める大のセーラームーン好き。そのときもまた、セーラームーンに出てくる男装の麗人・ハルカさん(原作では両性具有)について熱弁していました。

話しを聞いてくれている同僚もアニメ好きなこともあり、大いに盛り上がっていたからでしょうか。

「わたしこれだけハルカさん好きだし、たぶん女の子のことも好きなんだと思う」

と思わず口にしてしまったのです。

(さすがにこれは引かれたかな…。でも、女の子を好きかもしれないモヤモヤを誰かに打ち明けたかったし…)

と内心ビクビクしながら相手の反応をうかがっていると、まったく驚いたそぶりも見せず、

「いいね~♪やよいちゃんは独身だし、恋人とも別れてフリーなんだし、新宿二丁目とか行ってみたら?運命の恋人は、男性じゃなくて女性かもよ?」

と、まさかの返し。

その日わたしは妙な高揚感に包まれ、スマホで「新宿二丁目 レズビアンバー」とひそかに検索をし、自分のセクシャリティについての謎を解明する準備をし始めたのです。

 

LGBTな自分を受け入れる覚悟を決めた25歳の誕生日

カミングアウトから約1ヵ月後。わたしは25歳の誕生日を迎えていました。このときわたしは自分自身とある約束をします。それは、

寿命が100歳までだとすると25歳の今年はちょうど人生の1/4。残り3/4の人生は、もっと自分のことを知って、自分がしたいことをして、悔いの残らない生き方をしていこう。運命の人が女性だとしても、その時は受け入れて生きていこう

残りの人生をどう生きていくか、覚悟を決めるための約束でした。

自分のセクシャリティを確かめるために単身、二丁目へ

わたしは、なるべく早いタイミングで自分のセクシャリティを確かめたかったので、とにかく「レズビアンかバイの人に会いたい!」と思い、レズビアンバーのリサーチをしていました。

自分との約束をした誕生日から2日後、親友がお誕生日のお祝いにと六本木でディナーをごちそうしてくれた日の夜。突如その日は訪れました。

今でこそ二丁目になじみのお店ができたものの、

「常連さんばっかりのお店で居づらかったらやだな…」

「怖い感じのお姉さんばっかりだったらどうしよう…」

最初はビクビク。

そこでわたしの考えた初めての二丁目作戦はこうでした。

①HPが新しいorお店自体が新しく(HPが新しいということはママさんが若い、またはお店自体が新しくて常連さんがそんないない)

②かつ、カラオケのあるお店(話せなくても歌えばいい)

①②の条件を満たすお店に行けば、最悪セット料金のお店でも、居心地悪くはならずに1セットくらいやり過ごせるだろうと考えていました。

女性が好きな自分を思いっきり実感した

いざお目当てのお店へ!!…しかし、おそらくここだろうという場所に着いてもお店がありません(というか休みっぽい)。…ここまで来て引き下がるわけにもいかず、向いのお店の店員さんに声をかけ、場所を確かめることにしました。

「アデカラというお店に行きたいのですが、ここらへんであっていますか?」

店員のイケメンお姉さん「そこうちの系列なんだけど、今日はお休みなんだよねー!よかったらうちで飲まない?(キラッ)」

(…!!!!!あれ…、今このお姉さんが輝いて見えた…!しかもわたし、すごいときめいている…!!!)

「はい!飲みます!」

その飲みに行ったお店、実は、まさに数年前、MtFの友人に教えてもらった“レズビアンがいるお店”として通り過ぎたあの赤いのれんのお店でした。まさかここで一人でお酒を飲み、店員さんの女の子にキュンキュンしながらカウンターで話す日が来ようとは…。人生何があるか分からないと、しみじみ実感した日でした。

こうしてわたしは、無事、自分が女の子も好きなことを思いっきり実感し、LGBT当事者であることに確信を持ったのです。

 

ストレートのわたしとLGBTのわたし

わたしはLGBT当事者でした。それに気づいたのは24歳の終わりです。それまで、ストレートとして人生を歩んできたので、自分のセクシャリティに対しては、どこかとても客観的です。

LGBT当事者だと気付いて変わったことももちろんありますが、まったく変わらないなと思うこともあります。下記はその一例です。

LGBT当事者になって変わったこと

✓ 好きになる人の幅が広がった

✓ 性別やセクシャリティについて考えが柔軟になった

✓ マイノリティは個性で、弱みではなくむしろ強みだと思うようになった

✓ “結婚”とは何か突き詰めて考えるようになった

✓ LGBTの友達が増えた

✓ 自分を知って、前よりも肩肘はらずに生きられるようになった

ストレートの時と変わらないこと

✓ 好きな人を想って一喜一憂すること

✓ 仕事を頑張る姿勢

✓ お金の使い方や毎日の生活

✓ ストレートの友達の数(カミングアウトしても減らなかった)

✓ 家族や周りの人との接する態度(カミングアウトしたら、むしろ親密になった人の方が多い)

✓ 結婚願望の強さ

✓ 自分の生んだ子じゃなくてもいずれ子育てをするという目標

基本的な人間性や性格は変わらない

セクシャリティに気づいてから、自分の恋愛は確かに変化がありました。結婚に関する未来予想図もストレートのときとは違います。

しかし、基本的な人間性や性格はまったくと言っていいほど変わりませんでした。むしろ、自分を知り、考えも柔軟になったおかげで、前よりも人間関係が楽になったような気がしています。

「LGBTってどんな人?特徴は?」という質問を、必ずといっていい程受けますが、LGBTと一言で言っても、その性格やタイプはそれこそ人それぞれ。ここに書かれていることも、わたしの場合の話しに過ぎません。結局は、‟セクシャリティよりもパーソナリティ”なのです。

わたし、24歳のとき、ストレートからLGBTになりました。まとめ

わたしは自分のセクシャリティに気づくまで、今この記事を読んでいる皆さんと、大して変わらない(もしくはもっとひどい)意識で、LGBT当事者とコミュニケーションをとっていました。たった1人、2人、LGBT当事者の友達ができただけで、「そっちの世界のことは分かるよ~、友達いるから色々聞いてる」なんて得意げに話していました。

あのときMtFの友達に二丁目に連れて行ってもらわなければ、わたしは自分のセクシャリティに気付くこともなければ、「同性愛者はオカマさんみたいな変わった人ばかりで、女性の同性愛者なんてほとんどいない」という誤解を持ったままだったかもしれません。

わたしは、ずーっと自分がストレートだと思って疑わずに生きてきたけれど、セクシャリティに気づいた瞬間、もちろん戸惑いはしたものの、「自分の中の宝物を見つけた」、そんな感じがしてすごく嬉しかったのを覚えています。

皆さんの中には、すでに自分のセクシャリティに目を向けている方もいれば、わたしのように、生まれ持った性別(と、それに付随して好きになる性別)に疑問すら抱いていない方も多いはず。

LGBTを理解したくても、正直なところ分からないと思います。わたしは幸運にも、ストレートを24年、その後LGBTとしての人生を今年で3年経験しているので、なんとなく分かりますが、わたし自身ストレートのときはLGBTのことはまったく理解できなかったし(頭では理解できても感情的には分からない)、今も自分以外の人のセクシャリティについては分からないことだらけです。

ただ、大きなポイントをお伝えすると、セクシャリティはLGBTだけの問題ではないということ。

例えば「女性なんだから〇〇しなさい」「男のくせに〇〇しないなんて」。こんなセリフを皆さんも言ったり言われたりしたことがあると思います。そしてなんとなく後味の悪い感覚を覚えたはず。

本来、その人の能力や適性に性別は関係ありません。しかし、今の日本では性別と個人の能力・適正・役割がなぜか紐づくことが多いのです。

LGBTを特別扱いする必要はありません。なぜなら「セクシャリティ」は、人間すべてに関係する重要なトピックであり、LGBTだけでなく、みんなで考えていくべき内容だからです。

皆さんもぜひ、自分の中の固定概念を疑ってみて下さい。すると、もっと柔軟に世界を見ることができるようになるはずです。

てづかやよいプロフィール写真てづかやよい

1988年生まれ、アラサーのフリーランサー。9歳年上の彼女と、うさぎ&ウーパールーパーと東京で仲良し同居中♪
2016年12月には公正証書で入籍、2017年結婚式予定。まだ同性婚が認められていない日本で、わたし達オリジナルの同性婚をします!LGBTとストレートの人たちが、お互いにコミュニケーションを取りやすくなるためにLGBTsコミュニケーターとして活動中。
ブログやラジオでの情報配信、コンサルティング、イベント企画、講演などなど。LGBTラボでは編集長兼「(セクシャルマイノリティ略して)セクシャルマイノリティのすすめ!」を連載。
アラサーLGBT女子×年上女性と結婚×フリーランスな超絶マイノリティライフをHPで更新中!twitterもやっていますので、ぜひフォローして下さい♪
HP: http://rainbowcrew.jp
twitter: @yasuu2867