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皆様、初めまして。かけ出しのおなべタレント、鍋よりも熱いおなべ、若林佑麻です!

この度「LGBT」「FTM」についての記事を書かせていただくことになりました。

初めに、記事を読んでいただくにあたり、“FTM”とはどういう人なのか、どういう人生を歩んできたのか、僕自身の自己紹介をさせて頂きたいと思います!

 

女性で生まれ男性として生きることを選択したおなべタレント、若林佑麻

女性として生を受けるも、自然と男性として生きていた幼少期

僕、若林佑麻は、1991年11月5日、兵庫県西宮市の病院で、身体的には女性としてこの世に生を受けました。1995年1月17日の阪神淡路大震災の影響で大阪へ移住してからは、18年間大阪で育ちました。

初恋は、幼稚園の“女性”の先生でした。

当時は性別なんて何にも気にせず、ただただ本能のままに生きていましたから、この頃から無意識に、僕の心は男性だったのだと今になってすごく思います。

身体的には女性なのを良いことに、先生の膝の上に座り、デレデレとエロオヤジのような顔をした写真がたくさんあるのを見て、こいつずるいなぁと今になって自分で思います(笑)

周りの女子との違いに悩み、女子になろうと頑張った学生時代

小学校も高学年になると、周りが「誰々くんが好き!」と言っている中、自分だけ「誰々ちゃんが好き!」と思っているのはおかしいのではないかと思うようになりました。

頑張って女子にならなければ!!!と思った結果、中学、高校と女子校に入学。女子の中に入れば、僕もきっと女子になれる!!!と本気で思っていたのです。

けれどもそんな単純なものではなく(笑)、ますます自分の性別に疑問を抱くようになりました。でも、当時の僕にはカミングアウトをする勇気などなく、墓場まで持っていこうと心に決めていました。

自分と同じトランスジェンダーFTMとの出会い、そして手術

大学一年の春、バイト先で出逢ったトランスジェンダーFTM(いわゆる、おなべの人)をきっかけに、僕の若林佑麻としての人生がスタートします。

18歳で精神神経科に通い、様々な診断を受けた結果、「性同一性障害」と診断されました。

20歳になってからは心と身体の性別を近づけるためのホルモン治療を始め、そして2016年の今年、ついに、胸を取る手術を行いました。今後は性別適合手術、戸籍変更まで行うつもりです。

トランスジェンダーFTMタレント、若林佑麻として生きる

僕は現在、芸能事務所に所属し、おなべタレントとして活動しています。

トランスジェンダーFTMとして生まれて、何か僕にしか出来ないことがあるのではないか、と思ったのが、この仕事を始めたきっかけでした。

今後も僕なりに「セクシャルマイノリティ(LGBTs)」を「マイノリティ」としてではなく、「個性」として、世の中にもっともっと広めていけるような活動をしていきたいと思っております!!!

 

LGBTって何?

LGBTって何?

近年、よく耳にするようになった「LGBT」。

でも、正直何のことだかよくわかっていない、もっと詳しく知りたい!!という方のために、少し細かく説明していきたいと思います。

まず初めに、LGBTとは、セクシャルマイノリティ(性的少数者)を限定的に指す言葉で、Lesbian(レズビアン)、Gay(ゲイ)、Bisexual(バイセクシャル)、Transgender(トランスジェンダー)の頭文字をとった総称でありその他の性的少数者は含まれません。※

※LGBTの4文字で、上記4種類とそれ以外の「すべて」のセクシャルマイノリティを意味するという解釈もありますが、4種類の人たちが際立っているので僕は「すべて」を表現しているとは感じられません…。

LGBTのセクシャリティ

セクシャルマイノリティ(LGBT)にまつわるセクシャリティは

①身体の性別

②心の性別(性自認、自分の性別をどう認識しているか)

③恋愛対象の性別(性的指向、異性を愛するのか、同性を愛するのか、男女どちらも愛するのか、それ以外か)

の3つから成り立っています。

【ストレートの場合】

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一般的にストレートと呼ばれる男性の場合、

①身体の性別は男性

②心の性別もも男性

恋愛対象は女性

となります。ストレート女性の場合は身体と心の性別が女性、恋愛対象が男性になります

【L:レズビアンの場合】

FTMの説明図

レズビアンとは、女性を恋愛対象とする女性のこと。

身体的な性別は女性で、自分が女性であることに違和感はなく、女性として女性を好きになる、恋愛対象になる人のことを「レズビアン」といいます。

よく「レズ」と略称されることがありますが、「レズ」は差別的な要素を含む言い方ですので、「レズビアン」もしくは「ビアン」と略称するようにしましょう。

【G:ゲイの場合】

ゲイの説明図

ゲイとは、男性を恋愛対象とする男性のこと。

ゲイも、レズビアンと同様、身体的性別は男性で、自分が男性であることに違和感はなく、男性として男性が恋愛対象とします。

こちらも「ゲイ」が正式名称であり、「ホモ」は差別的な要素を含むので、注意しましょう。

【B:バイセクシャルの場合】

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バイセクシャルとは、男女両性を恋愛対象とする人のこと。

バイセクシャル男性の場合、身体的性別は男性で、性自認も男性で、恋愛対象は男性と女性どちらともなり得るということになります。

ここで注意しておきたいのは、バイセクシャルの恋愛対象は男か女であり、その他のセクシャリティは含まれません。

【T:トランスジェンダーの場合】

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トランスジェンダーとは、身体の性別と心の性別が一致しない人のこと。

MTF(男性から女性)の場合、身体的性別は男性ですが、性自認は女性であるため、身体と心の性に不一致が生じます。FTM(女性から男性)の場合も、身体的性別は女性ですが、性自認は男性であるため、身体と心の性に不一致が生じます。このような人々のことをトランスジェンダーといいます。

トランスジェンダーの恋愛対象は、人によって違うので、その人それぞれということになります。必ずしも「MTFだから男性が好き」「FTMだから女性が好き」とは限りません。

MTFとは、「Male To Female(男性から女性へ)」男性の身体で女性の心をもつ人のこと。

最近では、ニューハーフ、オネエという言葉が広まっていますが、正式名称は「MTF」です。「おかま」は、差別的な要素を含むので、注意しましょう。

反対に女性の身体で、男性の心を持つ人を「FTM-Female To Male(女性から男性へ)」といいます。こちらも「おなべ」ではなく「FTM」が正式名称です!

僕が”FTM”ではなく、”おなべ”という言葉をあえて使っている理由は、
FTMを表す日本語が、”おなべ”以外にないという事。
”FTM”という言葉が認知されていない以上、「僕、FTMなんです」と言っても誰もわかってくれないので、あえて”おなべ”という言葉を使っています。

しかしおなべという言葉は差別的な要素を含んでいるため、それに対して嫌悪感を抱く当事者もいますが、僕は、おなべという言葉の意味合い自体が変われば、名称なんて関係ないと思っています。

今後、FTMの認知度が上がれば、もっとより良い言葉が出てくるかもしれないし、何なら、セクシャルマイノリティという存在が当たり前の存在になり、やれFTMだ、LGBTだというグループ分けすらも無くなる時代がくるのではないかと思っています。

LGBTには含まれないセクシャリティ(Q)

近年「LGBT」という言葉が多く取り上げられていますが、実は「L、G、B、T」に含まれない「その他のセクシャリティ」もあるんです。

最近ではそのような人たちのことも含めて『LGBTs』や、『LGBTQ』表わされることも多くなってきています。

「s」は、LGBTに複数形のsを付け、「LGBTたち」、「Q」とは、Queerクィア=個性的な人、という意味をもって使われています。

【ノンバイナリージェンダー(Xジェンダー)】

身体的な性別は、男女どちらかに分類されており、性自認が男性、女性どちらにも分類されない人々のことを「ノンバイナリージェンダー(Xジェンダー)」といいます。

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【パンセクシャル(全性愛者)】

男女どちらかではなく、LGBTを含む全てのセクシャリティの人が、恋愛対象または性対象になり得る人のこと。

下図はパンセクシャル男性の場合。

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Aセクシャル(アセクシャル)

男女問わず、他者に対して恋愛感情を抱かない人のこと(無性愛)。

下図はAセクシャル男性の場合。

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など、他にも様々なセクシャリティがあり、これら全てのセクシャリティ(LGBTs)の人を含めた言葉が、セクシャルマイノリティ(性的少数者)です。

 

トランスジェンダーFTMとは

トランスジェンダーFTMの概要

先ほど、トランスジェンダーの項目で説明させていただきましたが、身体的には女性で男性の心をもつ人のことを、Female To Male(女性から男性へ)という意味で「FTM」といいます。

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図にもあるように、トランスジェンダーは、身体と心の性別の不一致のことを表す言葉ですので、性的指向(恋愛対象の性別)はその人それぞれです。

僕自身FTMですが、僕の場合、恋愛対象は女性ですので、性的指向(恋愛対象の性別)
は女性の所にマークがつきます。

レズビアンとトランスジェンダーFTMって、何が違うの?

よく、身体的な性別だけを見て、

「どっちも女が女好きなんでしょ?何が違うの?」

なんて質問されることがよくあります。

実は、全然違います!!!!

レズビアン(女性同性愛者)は、

・身体の性別は女性

・心の性別も「女性」

・そして恋愛として好きになる相手も女性

しかしながら、トランスジェンダー(FTM女→男)で恋愛対象が女性の場合、

・身体の性別は女性

・心の性別は「男性」

・恋愛として好きになる相手は女性

となります。

この二つのセクシャリティでは、心の性別(性自認)が違います。

つまり、女性として女性を愛するレズビアンと、男性として女性(またはそれ以外の性別)を愛するFTMでは全く違うセクシャリティだということです。

この違い、なんとなくお解り頂けましたでしょうか?!

トランスジェンダーFTM・MTFの中のセクシャリティ

当然のことながら一口にFTM/MTFといっても、本当に様々な人がいます。

■身体の性別を、心の性別に合わすための性別適合手術を行い、戸籍変更を行う人=トランスセクシャル(TS)

■広義で身体の性別と心の性別に違和感を感じている人。、外的手術などを行わない人なども含む。=トランスジェンダー(TG)

■自分が自分をどの性別か断定できない人、決めない人(ノンバイナリージェンダー(Xジェンダー))=『色々な』という意味も含めてFTX/MTX

■FTM/MTFで性的指向が同性、両性=FTMゲイ/MTFレズビアンFTMバイ/MTFバイ

ここに取り上げた以外にも様々なセクシャリティがあり、本当に、人それぞれです。

そうなんです!!ややこしいんです!!!(笑)

でも、それだけこの世の中には色んな人がいるってことだし、どれも、誰も、間違いじゃない。いいんです、それで。

トランスジェンダーFTMに関するQ&A

よく、FTM以外の方から質問されることや、当事者に聞きたいけど、聞いていいのかわからない、、、というこをQ&Aにまとめてみました。

Q1. いつ頃から、自分の性別に違和感を感じたのですか?

A1. よく、FTMの人で、大きくなったら勝手にちんちんが生えると思っていた、とか、自分の身体が嫌で嫌で仕方なかったという話を聞くのですが、僕の場合、そんなことはありませんでした。

小さい頃は何も考えていなかったというか、無意識だったので、あれ?と思い始めたのは、小学校高学年ぐらいでした。それからずっと自分が何者なのか解らず、FTMだと確信したのは、高校三年生のセクシャリティの授業を受けた瞬間でした。

Q2. トイレはどうしてるんですか?

A2. これはもう、FTMが一番困ることですね(笑)

僕の場合、今は男性ホルモンを打っていて、髭も生えているので、普通に男子トイレに入ります(ついてないのでもちろん個室)。でも、ホルモン注射を打つ前のもっと中性的な時は、TPOを考えて女子便男子便を使い分けてましたね。でもやっぱり、誰でもトイレ(多目的トイレ)を使うことが一番多かったです。

Q3. 好きになるのは男?女?

A3. 僕の場合は、女性が恋愛対象です。

しかし中には、FTMとして男性を愛するFTMゲイ、男女共に恋愛対象になるFTMバイ、性別問わず全ての性別が恋愛対象となるFTMパンセクシャル(全性愛者)のかたなど、いろいろいらっしゃいますし、性的指向は同じFTMであれ、人それぞれです!

Q.4 今、身体はどうなってるの?

A4. FTMには、戸籍変更までのガイドラインがあります。

①専門医による「性同一性障害」診断書を発行

②ホルモン投与

③乳房摘出手術  →僕は今ここ

④子宮卵巣摘出手術

④までの手術が終わり、その他いくつかの条件を満たすと戸籍変更が可能となります。そうなると戸籍上男性として生活することが出来、婚姻も可能になるので、これ以上で行う人ももちろんいます!

Q5. FTMとして生きていて、困っていることはありますか?

A5. めちゃくちゃあります(笑)

でもやっぱり一番は“トイレ”ですね。今は見た目が男性なので、普通に男性トイレに入りますが、もっと中性的だった時は、ひたすら誰でもトイレを探しました。

誰でもトイレがない時は、顔を隠して男子便に入ったり、場合によっては女子便にも入りましたが、どっちに入るのにも神経を使いました。ひどいときには、どっちにも入れず膀胱炎になりかけたこともありました。

なので、これを読んでくださっている皆様!!誰でもトイレでは、なるべく長居せず、身体障がい者の方やセクシャルマイノリティ方など、そこしか利用できない人がいることを覚えておいてくれると嬉しいです!!!

Q6. 差別を感じる瞬間はありますか?

A6. 差別されてるな、と思うことは正直あまりありません。ただ、電車に乗っていて、前の人たちに「あの人、男か女かどっち?」とコソコソ話されていたり、レストランで友達とご飯を食べながら自分の話をしていると、隣の席の人に「あの人、おなべなんだって」とこちらを見ながら言われたりするのは、正直あまり気分に良いものではありません。

コソコソ話しているつもりでも、当事者は自分の話をされているとわかります。

唇だって読めます。口に出しちゃ悪いと思ってか、気ぃ使ってメールで打ったって気づくわ!!!!笑

って感じです。

なので、本人の前では辞めてあげてください、、、悲しくなるので、、、(笑)

Q7. 今後改善されればいいなと思うことはありますか?

無駄に身分証を見せなきゃ行けない時や、これ本当にいるの?と思う性別記入欄ですね。僕の場合戸籍上はまだ女子で、名前も女性名なので見た目と一致せず、近所のビデオレンタル店で毎回、会員証と別に身分証の提示を求められます。

よく行くところで、本当に毎回なので、この間「毎回聞かれて毎回身分証を提示しているので、メモかなんかに残しといていただけませんか?」とお願いしたら、快く引き受けて下さり、それから聞かれることはなくなりました。本当に有り難い話です。

もちろんこれは、仕方ない部分ではあるので、当事者である僕のような存在を通して、こういう人もいるんだともっと知ってもらえるようにしなければと思いました。

Q8. 友人や家族に「FTMだ」とカミングアウトされた場合、どうしたらいいですか?

正直、驚きますよね。今まで女の子だと思っていた友達が、家族が、いきなり「僕は男です」と言われても、訳が分からないと思います。

だけど決して、その人は病気でも、頭がおかしくなった訳でもありません。ありのままで生きようと、覚悟を決めただけなのです。

そんなこといっても心配にもなるし、正直受け入れられない方だっていると思います。

カミングアウトをされて、その人を嫌いになってしまった。それはそれで良いと思います。

僕たちは、ちょっと強がりだけど、嫌われるかもしれないという覚悟を持って、一人一人にカミングアウトしているからです。

だからといって、当事者を批判する前に、「FTM」って何なのか、調べたり、話を聞いたり、本を読んだり、少しでも僕たちのことを知って、同情ではなく「共感」していただけたら嬉しいです。

男でも女でも、“その人”であることに変わりはありません。むしろ、カミングアウトしたことで、よりその人らしく生きていけることを見守ってあげてほしいと、僕は思います。

 

トランスジェンダー「FTM」として生きる

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。今回は解りにくい「L、G、B、T」のセクシャリティの違い、「FTM」について解説させていただきましたが、お解り頂けましたでしょうか?

肌の色や目の色が違うのと同じで、セクシャリティも様々で、同じ日本人でも一人一人全く違う個性を持っているように、同じFTMでも本当にいろんな人がいるということを解っていただけたなら幸いです。

今後は、普段見えないFTMの恋愛事情や仕事事情、親や友人へのカミングアウトについて書いていきたいと思いますので、よかったらまたチェックしてみてください!

 

若林佑麻のプロフィール写真若林佑麻

「『FTM』として生きる」と題して、身体的には女性で男性の心を持つ「FTM」について、見えないFTMの恋愛事情や仕事事情、カミングアウト等の記事を書いています。当事者であり、おなべタレントとして活動する自身の経験や、当事者の取材を通して、FTMとして生きるとはどういうことなのか、少しでも多くの人に知っていただけるよう、誰かの少しの力になれることを願って記事を書いております。よろしくお願い致します。